『ホテル業界にDXを!』推進する上での “3ステップ” とは?

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、デジタル技術やデータを活用してビジネスモデルを創出または変革すること、そして企業の競争性を養うことを指します。

デジタルトランスフォーメーションを取り入れることにより、サービスや製品の品質向上や、人件費にかかるコストなどの顧客体験の満足度向上など、さまざまな効果が見込めます。

ホテル業界では一体どのような導入事例があるのかをご紹介します。

DXとは

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation=以下「DX」)は、「デジタル技術による変革」を表す言葉です。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

数十年前、スウェーデンのウメオ⼤学教授であるエリック・ストルターマン⽒が提唱した概念で、「ITの浸透によって、人々の⽣活をあらゆる⾯でより良い⽅向に変化させること」と定義されています。その後2010年頃から、「デジタル技術とデジタル・ビジネスモデルを⽤いて組織を変化させ、業績を改善する」というビジネス視点で捉えた概念が登場し、世界中で取り組まれるようになりました。

 

DX化促進するためには

DX推進はIT技術の活用により「労働生産性」を向上させます。AIやRPAなどの導入は、従来人間がこなしていた単純な業務を代替するだけでなく、生産性を向上し、業務効率を改善します。人手不足に悩まされる企業や、サービス業それにともなう人件費の増加に悩まされる会社が増えてきている中、新しい技術を導入することで、人手不足の解消や人件費の削減ができることもDX推進のメリットです。

「デジタル化」との違いは、デジタル化は、業務効率化を目的としたデジタルツールの導入を意味します。

既存の業務やサービスを紙ベースからデジタルベースへ変換したり、複数のシステムを連携させたりして、業務の効率化を図ることです。一方DXは、デジタル化したことで得たデータや最新のデジタル技術(AIやIoTなど)を活かして、新しいビジネスモデルや組織編成などを生み出すことです。

 

推進3ステップ

①目指す姿を明確にする なにを目指しているのか、方向を明確にし社内で検討することでDXに向けて従業員が同じ方向に意識する

②現状を分析し、強みを探す 具体的には、ビジネスモデル、製品やサービス、業務、組織、プロセス、企業の風土などの項目で自社の現状を分析

③目指す姿と現状のギャップを埋めて戦略を立てる

 

宿泊業にどのように活用されているか

ホテル

「Airbnb」はデジタル技術によって、旅行者と宿泊施設のニーズを簡単にマッチングさせることに成功しました。以前は電話やメールでのやりとりが主だった宿泊予約が、アプリ上のデータ通信のみで圧倒的に手軽に行えるようになりました。

ホテルよりも価格帯が安い民泊でサービスを展開することで、旅行者と宿泊施設双方から高い満足度を獲得。世界190カ国以上で利用される人気サービスに成長し、民泊利用の普及によって既存の旅行ビジネスの概念を覆しました。

 

旅館

仙台に13店舗のビジネスホテルを展開する松月産業は、東日本大震災での被災で手作業での宿泊業務が強いられた経験をきっかけに、ホテルの基幹システムをSaaS(Software as a Service)に完全移行。

クラウド技術により従業員の稼働状況を可視化し、さらに13店舗の横の情報共有も可能になり、業務効率を大きく向上させました。

その結果、売り上げ・客単価ともに2014年からの4年間で110%に向上しています。

松月産業のこの事例は「全国中小企業クラウド実践大賞」で審査員特別賞を受賞しています。

 

DX実例

実例_イメージ

ホテル客室清掃の内製化支援パッケージ

ホテルや民泊などの宿泊施設清掃を軸に、現場(オフライン)で日々発生する様々な問題をテクノロジーで解決するIT×清掃系スタートアップ、株式会社EDEYANS(社名:イーデヤンス、本社:大阪市中央区、代表取締役社長:片山裕之 以下弊社)は、「ホテル客室清掃の内製化支援サービス」の提供を開始しました。

「清掃をもっとおもしろくかっこよく」をミッションに清掃領域のデジタル化を促進している会社です。

完全な内製化ではなく、内製化+稼働状況に合わせた外注のハイブリッド型、内製化にむけたコンサルティングから清掃業務の効率化に寄与するプロダクトの提供まで一貫したサービスです。

(以下、サービス内容)

1.内製化に向けたプラン設計

  • 原価設計
  • オペレーションフローの策定
  • 採用計画作成
  • 内製化に向けたタスクの整理・スケジューリング
 
2.クリーナー採用・トレーニング代行
  • 求人(広告の運用や弊社ネットワークの利用)
  • 採用面接代行・合否判断
  • クリーナー向けトレーニング
  • 現場責任者向けトレーニング
 
3.現場責任者業務のサポートおよびDX化
  • ホテル清掃に特化したマネジメントアプリ「ジェイタス」の提供
  • データ分析に基づく改善コンサル
  • 予算や採用計画等のKPIに関する予実管理および改善策の提示・実行

 

配膳管理システム

食事時間の業務の混乱やミスを防ぐために、ホテルや旅館で様々な工夫をしていると思います。

お客様ごとに異なる料理内容やご提供タイミングに合わせた調理と配膳など、厨房や接客係、管理者と多くのスタッフが関わることからどうしても煩雑さや混乱が生じ、うっかりミスをおかしてしまうこともあるのではないでしょうか?

お食事に関わるあらゆるお客様情報が一元化されたこのシステムでは、お客様の情報をすべてのスタッフがリアルタイムで共有できる「配膳管理システム」でどの食事処のどの席に何時にご案内すればいいかをスマホ画面で簡単に確認することができ、厨房スタッフは、どの席のお客様にどの料理コースを提供すればいいのか、アレルギー対応などの有無なども含めた多くの情報をひと目で確認することができます。

使い方も簡単で、最初に「配膳管理システム」にお客様のお部屋番号・人数(男女別、大人子ども別など)・座席指定・料理コースなどを入力しておくだけ。これだけで上記の情報をすべてのスタッフが確認できるようになります。

お客様のお食事に関わるあらゆる情報が網羅・整理され、リアルタイムで共有・管理できる「配膳管理システム」は、スタッフの職種を問わず業務の効率を飛躍的にアップさせることができるシステムです。

配膳管理システム │ サービス │ 株式会社プロフィックス

 

まとめ

国をあげて取り組みが加速し、今後ますます注目が高まっていくデジタルトランスフォーメーション。

宿泊業界にも、デジタル技術を活用しながら、競争優位性を高める推進が必要です。

人手不足が懸念されるなか、適切なサービスを提供しつづけていくためには、業務効率化や利便性を実現するデジタルツールの導入が不可欠といえます。