外国のホテルなどで普及されている「リモートチェックイン」というものをご存知でしょうか?
日本でも、宿泊者にとって簡単にかつ非対面・非接触でチェックインができるということから、導入されるホテルも増えてきています。ここではリモートチェックインとは何か、リモートチェックインのメリット、リモートチェックインの事例を挙げて、ご紹介していきます。
リモートチェックインとは
リモートチェックインとは、宿泊者のスマートフォンやモバイル機器を使用し、非対面・非接触でチェックインができるというサービスです。
宿泊者は宿泊当日に、ホテルに到着するまでにチェックインに必要なデータをオンラインで入力することができ、ホテル側もそのデータを共有しているため、ホテルに着いたらフロントではなく、専用の機械でチェックインの手続きをします。
リモートチェックインの導入が増えている背景
日本のホテルでは、人の手に頼る仕事のやり方に価値を置いてきました。そのため、ホテルスタッフに頼った経営方針となります。
それは長時間働くことができるホテルスタッフの確保が必要で、人件費がかさみ、さらにホテルスタッフの質が「あのホテルはどういうホテルなのか」といったことに繋がります。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大により、従来の対面でのチェックインや、運営のコストに対する意識も変化するようになり、安全性をより意識するきっかけになりました。
その結果、非対面・非接触でのチェックインが受け入れられるようになり、ホテル自体のあり方も変化しようとしています。また、完全に無人にならないために、今までフロント業務に使っていた労力を他の仕事に回して、サービスの向上にも繋がります。そのため、ホテルの宿泊者とホテル側双方にメリットがあるのです。
ホテル側のメリット
1.人件費のカット、人手不足の解消
従来はフロント業務に重きを置いてきましたが、リモートチェックインによって、無人化が可能になります。そのため、無理のない範囲で、そのフロント業務分の人件費がカットされます。
また、リモートチェックインによって人手があまりいらなくなるので、人手不足の解消にもなります。
2.コストのカット
リモートチェックインは、ホテルの宿泊者の管理が簡単になります。ホテル宿泊者の前回の履歴などを参照して、それぞれの宿泊者に対して好みのサービスを提供できるようになり、労力を使わずに済みます。
例えば、宿泊者の方の前回の料理の履歴を見て、食事の傾向を把握し、細かいサービスが可能になり、フードロスも少なくなります。また、モバイル端末などを使ってホテル内のパンフレットを表示させるようにして、無駄な紙を使わずに済み、コストカットに繋がります。
ホテル宿泊者のメリット
1.非対面・非接触
リモートチェックインでは、非対面・非接触でチェックインを行なうことができます。非対面・非接触ですから、安全面でとても安心してチェックインをすることが可能です。
2.待ち時間が少ない
リモートチェックインでは、事前に宿泊者情報を入力しているので、煩雑なフロントでの宿泊者情報の記入をすることはありません。
そして、リモートチェックインは機械を使用するので、有人のフロントよりも早くチェックインすることができます。
リモートチェックインの事例
1.変なホテル
大手旅行代理店エイチ・アイ・エス (H.I.S.) グループであるH.I.S.ホテルホールディングス株式会社が運用している「変なホテル」は、リモートチェックインの先駆け的な存在です。
フロントの受付にはロボットがいて、初めて訪れた方は非常にびっくりされるかもしれませんが、チェックインは専用の機器を使います。掃除などもロボットが行なうので、人件費がかなり削減されていることがわかります。
2.アパホテル
全国に展開しているアパホテルでは、アプリでのチェックインを開始しました。「アパ直」というアパホテル専用のアプリを使用し、スマートフォン上で決済をすることで、ホテルのチェックインが簡単になりました。
チェックインにかかる時間はなんと、「1秒」。1秒でチェックインができるとは驚きです。ほぼ手間要らずでチェックインすることが可能です。アプリの会員QRコードによるルームキーの発行など、非対面・非接触でチェックインをすることが可能です。
まとめ
ここまで、リモートチェックインがどういったものか、リモートチェックインのメリット、リモートチェックインの事例をご紹介してきました。リモートチェックインは非対面・非接触で安全で利便性の高いものです。かつ、ホテル側のコスト削減や経営方針の変化、ホテルスタッフの満足度の向上などにも繋がります。
また、宿泊者側の待ち時間軽減にもなり、とても利点が多いです。便利なリモートチェックインはアフターコロナが待ち受けるこの先でも、導入されるホテルが増え続けるでしょう。