【社員研修旅行の目的とは】どんなところに行くのが効果的?

新型コロナウイルスの蔓延により、リモートワークやワーケションという会社に行かない形での勤務が一般的になりつつあります。しかし、人間は元来社会的な動物。何らかの形で人と関わっていないと、心身に問題をきたしてしまうことも少なくないようです。

そのような中、近年あらためて社員研修旅行の有効性が見直されています。

その昔の社員研修旅行といえば、温泉地やレジャー施設に行くなど「慰安旅行」の意味合いが非常に強いものでしたが、こうした「慰安旅行」目的の社員旅行を嫌う若い世代などが増えてきました。そのため、現在の社員研修旅行はかつてのものとは様変わりをしています。

この記事では、社員研修旅行の目的と、例えばどのような場所に行くのが効果的なのかということを考察します。

 

現代の社員研修旅行の目的は主に2種類

かつては会社内で働く人の慰安が主な目的であった社員研修旅行ですが、現在はその目的も多様化しています。しかし、大きく分けると2つの目的のために社員研修旅行を開催する企業が多くなっています。

まず、第一の社員研修旅行の目的は「他産業や他企業の視察や見学をする」ことです。近年工場見学が家族連れの新たなレジャースポットとなっていますが、本当に重要な部門などは、やはりどこの企業でも一般の人にはほとんど公開しないものでしょう。しかし、ひとつの企業が見学や視察を行うということであれば、対応している企業も少なくはありません。

また、他の産業や企業を見るということは、自分が所属する企業にはない新たな文化や視点を見学するということと同じであると考えられます。そのため、社員研修旅行で学んだ新しい視点が、旅行後の会社の業務に生かされる可能性もあります。

また、社会人として働き始めると、自分が関係する分野以外の人と出会う機会は意外と少なくなってしまうものです。気心の知れた人とのだけお付き合いをすることは非常に楽ではあるのですが、仕事で行き詰ってしまったときなど、周囲がみな同じ考え方をする人ばかりになりがちで、問題解決の方法が見えにくくなってしまうことが多々あります。しかし、他の産業や企業の人と知り合うことで、新しい視点を持つことができると、思わぬ解決法が見つかることもあります。このように、他の産業や企業を視察することは、旅行後の業務に大きなメリットをもたらす可能性が高いのです。

2の社員研修旅行の目的は「社員同士でワークショップを開催するため」です。ワークショップとは、講義を受ける側(いわば生徒側)がグループを作り何らかの目的を達成するためにグループで戦略を立て、実行したり発表したりする行為です。

通常の社員研修では、講師(先生役)が社員(生徒役)に一方的に教える形になりがちです。しかし、ワークショップでは講師はテーマを与え、基本的に生徒側のグループがそのテーマに沿ったものを構築し、実施することになります。

社員研修旅行のワークショップでは、できるだけ日ごろの業務の枠を超えた人をグループに組み込むことができるかどうか、ということが成功の鍵を握ります。日ごろ話すことはもちろん、顔を合わすことが少ない人どうしを同じグループにすることで親近感が増し、旅行後の業務がスムーズに進むようになる可能性もあります。

このように、現代の社員研修旅行では「他産業や他企業の視察や見学」と「社員同士のワークショップ」の2つが主な目的であると説明しました。とはいえ、社員研修旅行の日程やスケジュール次第では、この2つの目的を同時に組み合わせることもできますし、慰安目的と言うのがけして悪いわけではありません。参加した人が、「楽しかった」あるいは「ためになった」と思えるような旅行を計画することが重要なのです。

 

社員研修旅行の行き先

では、具体的には社員研修旅行の行き先として、どのようなところがあげられるのでしょうか。

まずは、視察・見学先として、他の企業さんを訪れることを考えるとよいでしょう。この場合、見学先は何らかの形で社員研修旅行を計画している企業と関連のある企業になるものと思われます。社員研修旅行の企画者は事前に視察・見学先と綿密な連絡を取り、どのようなこと(もの)を見学したいのか・見学できるのかを明確にする必要があります。できれば、抱えている問題などが同じなどの共通点がある企業を見学することが望ましいでしょう。

もしも、他の企業を訪問することが難しい場合は、自分たちが生産・販売している製品、あるいは関連する製品の展示会や見本市などを訪れる社員研修旅行を企画してみると良いでしょう。

こうした商品の展示会や見本市に行くのは企業の中でも特定の部署の人だけなので、例えばバックオフィス業務の担当の人はなかなか行く機会がありません。そのような日ごろあまりこうした見本市に行く機会がない人には、こうした場が自社の製品をよりよく知る機会になります。また、同業他社の製品なども目にすることになるので、自分たちの業界のことをよく知る機会にもなります。

また、ワークショップ主体の社員研修旅行を企画するなら、キャンプ場(あるいはグランピング場)など自然の豊かな場所に行くのもお勧めです。グループごとの話し合いなども周りを気にしないで夜遅くまで続けることができますし、屋内でのワークショップだけでなく、大自然の中でのワークショップを開催することができます。なにより、日ごろ都会のオフィスの中ですごす時間が多い人にとっては、最大の気分転換となることしょう。

 

まとめ

現代の社員研修旅行では、慰安よりも、旅行後に自分たちの事業にプラスになるような影響のある活動をすることが多くなっています。同時に、同じ会社の人同士が顔見知りになり、親睦を図ることも、やはり社員研修旅行の重要な役割のひとつであることは間違いありません。

リモートで働くことができてしまう今、実際に社員同士が直接顔を合わせることは、非常に貴重な機会となっています。そのような貴重な機会を十分に活用し、社員の皆さんが楽しく快適に働くことができるような役割が、今後の社員研修旅行に求められているのではないでしょうか。