みなさんは、ヤミ民泊についてご存じでしょうか。
安心できる民泊事業者が多い一方で、ヤミ民泊と呼ばれる悪質な宿泊事業者の存在が問題となっています。
適切な民泊運営をおこなうためには、必要な手順があり、それを破ってしまうと様々なリスクがあります。
ヤミ民泊とは、一体どのような危険性があるのでしょうか?
今回は、ヤミ民泊についてご紹介します。
ヤミ民泊とは?
ヤミ民泊とは一体どのような事業者のことを意味するのか、こちらでご説明します。
無許可営業の民泊事業
ヤミ民泊とは、無許可営業をおこなう民泊事業者のことです。
民泊運営を始めるためには、住宅宿泊事業法の届出・旅館業法の許可・特区民泊の認可のいずれかの手続きが必要となります。
また、自治体によって、民泊に対するルールが異なるためそれぞれに合った届出や手続きを取らなければなりません。
このように民泊に必要な届出や手続きをおこなわず、無許可で営業している宿泊事業者をヤミ民泊と言います。
無許可営業である場合、民泊に関する法律に違反していることになりますので、摘発され罰則の対象となります。
民泊に必要な措置を講じていない事業者
民泊に必要な措置を講じていない事業者もヤミ民泊です。
民泊施設は、宿泊者の衛生面や安全面を確保する設備や対策を整える必要があります。
換気や清掃、非常時機器の設置や避難経路の表示などが必要ですが、ヤミ民泊はこのような対応がとられていません。
ヤミ民泊は、宿泊者の衛生や安全が守られていない施設を提供している場合が多くあります。
上記で紹介した、民泊の3つの法律にも違反する内容であり、摘発・罰則の対象です。
ヤミ民泊の危険性
ヤミ民泊は、次のようなリスクがあります。
事件・犯罪の温床
ヤミ民泊は、事件や犯罪の温床となる危険性があります。
実際に、過去にヤミ民泊で発生した事件や犯罪が発生しています。
本来、民泊を利用するには本人確認が必要です。
しかし、ヤミ民泊は、本人確認をせずに宿泊者を受け入れているケースがほとんどです。
そのため、事件や犯罪に民泊施設が悪用される恐れがあります。
感染症の拡大
ヤミ民泊は、感染症の拡大という危険性があります。
本人確認せず、あらゆる場所から宿泊者を受け入れることや清潔な居住が守られていないことから、感染症が発症してしまうリスクも考えられます。
日本では発症が確認されていない感染症が、持ち込まれる危険性もゼロではありません。
ヤミ民泊から、新型コロナのように各地に新しい感染症が広がってしまう恐れがあります。
近隣住民とのトラブル
ヤミ民泊は、近隣住民とのトラブルの発生という危険性も持ち合わせています。
適切な民泊運営と違って、民泊に関するルールが守られていない事業者がヤミ民泊です。
なかには、本来民泊を禁止している場所で運営しているヤミ民泊も多くあります。
このようなヤミ民泊施設を利用する人による騒音問題やゴミ問題、治安問題などから近隣住民とトラブルが発生してしまいます。
最悪の場合、近隣住民とのトラブルから、大きな事件が発生してしまうリスクも絶対にないとは言い切れません。
ヤミ民泊への罰則は最大100万円
ヤミ民泊に対する罰則が定められており、罰金の最大金額が100万円となっています。
無許可で民泊運営をおこなっていたり、虚偽の届出をしている事業者に対して、このような罰則があります。
これは、新民泊法が制定されたことにより、定められた罰則です。
新民泊法の制定前は、ヤミ民泊に対する罰則が「6か月以下の懲役または3万円以下の罰金」という内容でした。
しかも、悪質な民泊業者を取り締まる法律は旅館業法しかなく、ヤミ民泊が蔓延する要因の1つでありました。
しかし、2018年に施行された新民泊法には、民泊をおこなう者や委託者、仲介者に対する規則が定められ、より細かく民泊に対する罰則が定められています。
併せて、旅館業法もさらに厳しい罰則が制定されることとなり、民泊に対する罰則が強化されました。
適切な民泊運営を把握することが大事
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いざ、民泊運営を始めるときには、民泊運営に関する正しい方法を把握しておくことが大事です。
適切な民泊運営は、法律に沿った届出や手続きが必要となります。
また、宿泊施設とする建物が一軒家なのかマンションなのかによっても、運営開始までに必要な準備が異なります。
まずは、運営を検討する地域が民泊を受け入れているか確認が必要です。
自治体の条件や自身のビジネススタイルによって、旅館業民泊か特区民泊、新法民泊かが決まります。
適切な民泊運営をおこなうことで、民泊に対する世間の印象も良くなり、悪質なヤミ民泊の排除へと繋がるでしょう。
まとめ
ヤミ民泊とは、無許可営業の違法な民泊事業者です。
宿泊者の衛生面や安全面に対する必要な措置を講じていないケースも多く、危険性が高いです。
このような宿泊施設は、事件や犯罪の温床となる可能性が高く、感染症の拡大リスクもあります。
また、近隣住民とのトラブルの発生も避けられません。
民泊に関する法律は、新民泊法の制定により強化されました。
最大で100万円の罰金も設けられ、ヤミ民泊の摘発・排除に効果があると言えます。
民泊運営を始める際には、適切な方法を把握しておくことが大事です。