そもそも民泊とはなにか?とお考えの方から、これから民泊事業を始めてみたいなど民泊事業に興味がある方に読んでいただければと思います。
この記事では、簡単に民泊運営する方法を解説していきます!
- 1 民泊の基礎知識
- 2 リスクと注意点を知る
- 3 民泊事業の手順
- 3.1 民泊開始までの流れ
- 3.1.1 ①民泊をはじめるための手続きをする
- 3.1.2 ②保健所から許可が下り、保健所の関係者が立ち入り検査を行い、対象施設の構造整備の基準が満たされているかを確認します。
- 3.1.3 ③設備のリノベーションを。ゲスト(宿泊客)が落ち着いて泊まれるよう、喜ばれる内装にするなどの工夫も必要かもしれません。トイレやお風呂は特に気にする方が多いので、水回りは注意しましょう。
- 3.1.4 ④集客で必要となる民泊サイトに登録し、情報を掲載していきましょう。複数のサイトを利用することで予約率・稼働率のアップにつながります。それ以外にもSNSなどを利用した営業活動を行い、宿泊客を増やす工夫することが大事です。
- 3.1.5 ⑤開業後も国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、2ヶ月ごとに都道府県知事に以下のことを報告しなければならない義務があります。
- 3.1 民泊開始までの流れ
- 4 コロナ終息後に向けて
- 5 まとめ
民泊の基礎知識
民泊とはホテルや旅館の宿泊施設ではなく個人の自宅、別荘、投資用マンションの一室を利用して、宿泊サービスを提供します。宿泊施設と違うところは、一般の住宅を利用するところです。
民泊は大きくわけて「ホームステイ型」「ホスト不在型」「簡易宿泊」「特区宿泊」の4つに分類されます。
- ホームステイ型は居住する自宅の一部を旅行者に貸し出す。
- ホスト不在型は貸主(ホスト)が居住していない部屋を旅行者に貸し出す。
- 簡易宿泊は年中、1泊2日から民泊を営業する場合は簡易宿所の営業許可の取得が必要。旅館業法に従って小規模な宿泊所として「簡易宿所」の免許を取得し、始める。
- 特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく特例事業(外国人滞在施設経営事業)として特区エリア向けに認められた民泊。外国人を対象としており、1泊2日で施設を提供することは認められず、2泊3日以上の連泊により施設を提供する必要
その他にもイベント民泊(大規模イベント開催時等の多客期に、自治体が主導して行う宿泊施設の不足を補うための臨時措置であり、自治体の要請を受けた施設は、イベント期間中であれば、簡易宿所の営業許可や特区民泊の認定等の許認可がなくても、民泊を行える)、農業民泊、漁業民泊などがあります。
民泊の良さは借り主(ゲスト)にとっては安く泊まれる、ホテルとは違う現地の生活を体験できるなどがあります。貸主(ホスト)にとっては空き家や使っていない部屋を使用してもらえる、旅行者との交流ができるなどのメリットがあります。
ここ数年、インターネットを通じて空き部屋を短期で貸したい人と宿泊したい人をマッチングするビジネスが急速に加速しています。「Airbnb(エアービーアンドビー)」は空き部屋を貸したい人(ホスト)と部屋を借りたい旅人(ゲスト)とをマッチングする、2008年に米国発の民泊仲介サイトが急成長しに日本を含む世界191ヶ国81,000以上の都市で利用され、通算のゲスト数は5億人を上回ります。Airbnbの成長とともに、Booking.comや楽天グループも民泊仲介サイトとして民泊事業に参入しました。
リスクと注意点を知る
法律上
民泊が広がってきた理由の1つとして、民泊の営業が認められる「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が2018年6月に施行されたことによる背景があります。
民泊の営業を行うためには、民泊新法、特区民泊に基づく認定、旅館業法など3つの法律が関わっていますので、法律に基づいて営業を行っていない場合は罰則の対象になりますので注意が必要です。
公衆衛生上
旅館業法では、営業者は「宿泊衛生責任者」を置くことが義務付けられていますが、民泊新法では「公衆衛生上支障がないと認められる範囲で」との条件が付されていて明確な判断、評価方法は示されていません。
利用する部屋の掃除がきちんと行き届いていない状況が続くことも否めません。室内が汚染され感染症といわれる人・食べ物・昆虫などを介して、ウイルス・細菌、寄生虫やクジラミアなどが体内に侵入し、発熱や下痢といったさまざまな症状がでるリスクも考えられます。
地域住民とのトラブル
自宅やマンションの一室の場合、周囲方々は普通に生活している場合が多いでしょう。
タバコのポイ捨て、間違えてインターホンを鳴らす、廊下、通路での大きい話し声、部屋でパーティーをして騒音などのケースが挙げられます。また、利用者の中には外国人も多く、文化や習慣の違いから問題が起こることもあります。
民泊事業の手順
2018年6月に施行された新法民泊が施行されたことにより、民泊開業のハードルが下がり、以前よりは開業する事業者も増えました。
民泊を始めるには年間営日数に制限がない旅館民泊、外国人を対象した特区民泊、手続きの簡単な新法民泊の3つの形態にわけられ、それぞれ法令が異なるので特徴や制限をよく調べましょう。新法民泊は形式的な審査で営業をスタートできるので初心者におすすめです。
民泊開始までの流れ
①民泊をはじめるための手続きをする
3つの形態(旅館民泊、特区民泊、新法民泊)から1つを選択し、営業するための許可申請します。
申請を行うためには保健所に必要書類を提出する必要があります。それぞれの手続きは異なるため、自治体の窓口に事前相談にいきましょう。きちんと申請しないと違法営業となる可能性もありますので注意が必要です。
②保健所から許可が下り、保健所の関係者が立ち入り検査を行い、対象施設の構造整備の基準が満たされているかを確認します。
③設備のリノベーションを。ゲスト(宿泊客)が落ち着いて泊まれるよう、喜ばれる内装にするなどの工夫も必要かもしれません。トイレやお風呂は特に気にする方が多いので、水回りは注意しましょう。
④集客で必要となる民泊サイトに登録し、情報を掲載していきましょう。複数のサイトを利用することで予約率・稼働率のアップにつながります。それ以外にもSNSなどを利用した営業活動を行い、宿泊客を増やす工夫することが大事です。
⑤開業後も国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、2ヶ月ごとに都道府県知事に以下のことを報告しなければならない義務があります。
コロナ終息後に向けて
DBJ・JTBF アジア・欧⽶豪訪⽇外国⼈旅⾏者の意向調査 (2020年度新型コロナ影響度特別調査)
2020年6月2日~6月12日の期間でアジア・欧米豪12地域(韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス)に居住する海外旅行経験者6220人を対象に実施したアンケートによると、新型コロナ終息後の海外観光旅行の意向は、アジア居住者が86%、欧米豪居住者が74%に上った。理由は「リラックスや癒しを得たいから」、「海外で体験したいことがあるから」が上位を占め、終息後はこうしたニーズを捉えることが重要のようです。終息後に行きたい国・地域では、アジア居住者の56%が日本を挙げてトップでした。
新型コロナ終息後に観光目的で訪日するとして、次はどのような宿泊施設に泊まりたいかの設問には過去調査では温泉のある日本旅館がアジア居住者、欧米居住者ともに最も人気が高かったですが、新型コロナの影響で2020年度調査では選択率が下がりました。また、現地の人から有料で借りる家、アパート(民泊)も選択率が下がっており、民泊は清掃などによる施設の安全性や清潔感で施設ごとに差があることも背景にあるとみられます。しかし終息後の訪日旅行に期待したいことについて尋ねたアンケートでアジア、欧米豪ともに「衛生面における配慮、清潔さ、消毒などのウイルス対策全般の継続」の理由がトップにきており、これまで以上に「清潔な日本」が求められるでしょう。
まとめ
民泊はまだ歴史の浅く、コロナ終息後もまだまだ伸びるビジネスです。それには民泊新法(住宅宿泊事業法)を理解することが重要です。観光庁が出している民泊新法ガイドラインを参照されることをオススメします。民泊管理代行会社の民泊専門家に問い合わせするのもいいと思います。
民泊は経済効果だけではなく、旅行者の増加は異文化交流に大きく貢献します。
個人で民泊経営するために事前準備や、トラブル防止策などしっかり整備しておきましょう。