【その民泊運営、違法かも?】旅館業法の法律上の問題と対処法について

みなさんの民泊と聞くとどういったイメージでしょうか?宿泊料が安い、外国人が多い、一般宅でも始められるなど人によって様々でしょうが、ニュースや新聞などでたまにとりあげられる「違法民泊」について。どういった民泊が違法なの?と疑問に思われている方も多いとおもいます。

今回は民泊違法にスポットをあてた法律上の問題と対処法についてご紹介したいと思います。

 

違法な民泊とは?

「民泊」とは宿泊用に提供された個人宅の一部や空き別荘を有料で貸し出すビジネスを民泊と一般的に呼ばれ、インターネットの仲介サイトの出現により普及しています。

民泊サービスを実施するには、事業者が「旅館業法上の許可」「住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出」「国家戦略特区方上(特区民泊)」の認定のいずれかの手続きをとらなければいけません。

手続きをしないで行政の監督をうけず無断で実施している民泊サービスは違法民泊にあたります。

 

民泊に関わる大事な法律について

 

  • 基本的に宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業する場合は「旅館業法」という法律に基づいて、旅館業の営業許可を取得しなければなりません。

旅館業法の中にも3つの種別がありますが、民泊は「簡易宿所営業」に分類されることが多いです。「簡易宿所営業」の許可を得る必要があります。(施設の構造設備を満たす)

旅館業法の違反行為には営業許可を取らずに無許可で営業することと、営業許可は受けていて運営上の旅館業の運営上で旅館業法の規定を違反する行為の主に2種類の違反行為があります。

 

  • 住宅宿泊事業法(民泊新法)においては、地域周辺環境への悪影響の防止、治安維持、犯罪防止等の観点から、宿泊者名簿の備付けや様々な義務が住宅宿泊事業者に義務付けされています。

国土交通大臣の登録を受けた「住宅宿泊管理業者」に管理業務を委託する義務があり、住宅宿泊管理業者への委託を行っていない場合は、50万円以下の罰金に課せられる可能性があります。

代表的な具体例

①宿泊者の安全の確保について

(非常用照明器具の設置、避難経路の表示、火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置)

②外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保について

(外国語を用いた、届出住宅の設備の使用方法に関する案内、外国語を用いた、移動のための交通手段に関する情報の提供、外国語を用いた、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内)

③宿泊者名簿について

(本人確認を行った上で作成すること、作成の日から三年間保存すること、宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日を記載すること、宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号を記載するほか、旅券の写しを保存すること)

④周辺地域への悪影響の防止について

(宿泊者に対し、騒音の防止のために配慮すべき事項、ごみの処理に関し配慮すべき事項、火災の防止のために配慮すべき事項の書面の備付けその他の適切な方法により説明を行うこととなっています。

  • 特区民泊の認定を受ける

下記の特定の地域においては旅館業法の適用が除外されています。

  • 東京都大田区
  • 大阪府
  • 北九州市
  • 新潟市

各都道府県知事(保健所)が認定することにより特区民泊として認められます。要件条件も場所が縛られていたり、利用期間の縛りがあります。

 
違法に当たりそうな状況とペナリティについて
  • 衛生上の措置が講じられておらず、きちんと掃除がされていない。
  • 近隣住民の理解が得られておらず、近隣住民から苦情がくる
  • 鍵が適切に管理されていない
  • 火災が発生しても火災警報がならない、消化器がない、避難口がわからない
  • マンションで民泊禁止ポスターが貼られているも、キャリーケースの音を建物内や近所で、よく耳にしたり、観光客風の外国人が、建物内や近所をウロウロしているなど

ペナリティ

20万円以下の過料

  • 事業廃止の届出をしていない者又は虚偽の事業廃止の届出をした者

30万円以下の罰金

  • 変更の届出をしていない者又は虚偽の変更の届出をした者 ・標識の掲示義務に違反した者
  • 業務改善命令及び住宅宿泊仲介業約款の変更命令に違反した者
  • 報告徴収に応じない者又は虚偽の報告をした者
  • 立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
  • 質問に対して答弁しない者又は虚偽の答弁をした者
  • 住宅宿泊仲介業約款の公示義務に違反した者
  • 住宅宿泊仲介業に関する料金の公示義務に違反した者
  • 公示した料金を超えて料金を収受した者

6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金、又はこれの併科

  • 業務停止命令に違反した者

6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその併科(旅館業法第10条第1号)

  • 無許可営業

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれの併科

  • 不正の手段により登録を受けた者
  • 自分の名義をもって他人に住宅宿泊管理業を営ませた者

 

対処法

民泊事業者は周辺住民に民泊事業の開始の通知、説明などの文書のポスティングをしたり、説明会を開いたりすることがトラブル回避につながるかもしれません。

民泊制度について関係各所に問い合わせして確認をとる方法もいいかと思います。

国土交通省が始めた民泊のポータルサイトに情報があります、民泊制度コールセンターという「住宅宿泊事業法」「住宅宿泊事業の届出」に関することや、その他民泊の制度等に関するご質問・ご意見・苦情等を受け付けているようです。 【電話番号】0570-041-389 【受付時間】平日9時00分~18時00分

 

まとめ

違法業者によって利用者(ゲスト)やこれから利用したいと思う方々に民泊に対する悪い認識を与えてしまうことになります。そうならないためにも既存だけはなくこれから民泊を始めようとしている新規の運営事業者(ホスト)は適切な民泊運営をこころがけることが大切です。

違法民泊に対する取締りも年々と一層強化され、とくに無許可民泊に対しては100万円の罰金となりますのでしっかり対処していきましょう。

「これから民泊を始めるという方」はこちらの記事をぜひ一緒にお読みくださいませ。誰でも簡単に運営ができる方法をまとめております。

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