冬のキャンプは、テント内の温度をあたためるために、薪ストーブを使用する方も多いでしょう。
ただし、テントの中で薪ストーブを使うことは、大きなリスクを伴います。
そのため、薪ストーブを使う際には、リスクや注意点を把握しておくことが重要です。
今回は、テント内で薪ストーブを使用する際に発生しやすい事故や注意点についてご紹介します。
アウトドア初心者の方もベテランの方にとっても重要な内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
冬キャンプの大きなリスク!薪ストーブが引き起こす事故
薪ストーブは、室内を効率良くあたためることができる暖房器具です。
ただし、火を使い、薪を燃料とするため、使用方法を誤ると大きな事故の元となってしまうことがあります。
こちらでは、キャンプテント内で薪ストーブを使う際に発生しやすい事故の例についてご紹介します。
冬キャンプで使用する方も多いため、起こり得る事故を把握しておくようにしましょう。
一酸化炭素中毒
キャンプテント内で薪ストーブを使う場合、一酸化炭素中毒が発生するリスクが懸念されます。
一酸化炭素は、不完全燃焼が起こる場合に発生します。一般的に、室内用の薪ストーブを正しい方法で使用していれば、一酸化炭素中毒が起こるリスクはありません。
ただし、室内に酸素が足りていない場合や燃料が湿っている場合に、不完全燃焼が発生してしまいます。
一酸化炭素中毒は、頭痛やめないなどの初期症状が起こり、最悪の場合、死亡することもありますので、大変危険です。
就寝時は特に、注意しておかなければなりません。
火事
やはり、火を使用する暖房器具であるため、火災事故も発生するリスクがあります。
薪ストーブによる火災の原因としては、低温炭化や煙道火災が挙げられます。
低温炭化とは、長時間熱にさらされることで極度に乾燥し、木材が炭化することです。気付かないうちに発火し、火災が発生するというケースも少なくありません。
煙道火災は、煙突部分に付着した煤やタールが引火することで、煙突内部が燃えてしまう現象です。また、薪ストーブ自体が非常に高温になり、周囲に燃えやすいものを置いていると火災事故へ繋がるケースもあります。
火傷
使用中の薪ストーブに誤って触れることで、火傷をするケースもあります。
特に、お子さま連れのキャンプは要注意です。煙突部分も含めて薪ストーブは、非常に高温になります。
薪ストーブの炎に癒されますが、油断していると薪を入れるときに腕が当たって火傷するという事故も起こりかねませんので、細心の注意を払って使いましょう。
キャンプテント内で薪ストーブを使う時の注意点
キャンプテント内で薪ストーブを誤った使い方をすると、一酸化炭素中毒や火事、火傷事故が発生するリスクがあります。
薪ストーブを使ってキャンプをする場合は、事前に注意点を理解して、正しい使い方を行うようにしましょう。
こちらでは、キャンプテント内で薪ストーブを使用する際の注意点についてご紹介します。
テントを完全に締め切らない
テントの中で薪ストーブを使う場合、完全にテントを締め切らないようにしましょう。
冬キャンプは気温が寒くて、室温を保つためにテントをしっかり締め切るという方も多いかもしれません。薪ストーブのような暖房器具を使用しない場合は大丈夫ですが、薪ストーブが室内にある場合は、風が通る道を確保しておくことが重要です。
テントに風の通り道を作ることで、一酸化炭素中毒や火災発生のリスクを抑える効果があります。
1時間おきに換気する
テントに風の通り道を作ったうえで、定期的に換気をするようにしましょう。
1時間おきに5分程度換気するだけでも、テント内に新鮮な空気を取り込むことができます。
どうしても寒い時期は、換気をするタイミングが少なくなりがちですが、命を守るために換気を忘れずに行いましょう。
一酸化炭素チェッカーを必ず設置する
換気をしながら薪ストーブを使用していたとしても、安全のために専用機器を設置しておくことをおすすめします。
テントの中で薪ストーブを使用すると、一酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあります。
一酸化炭素は、無色無臭であるため、中毒になっていることに気付かないケースが多いです。これを防止するために、一酸化炭素チェッカーをテントの中に必ず設置しておきましょう。
一酸化炭素チェッカーは、空気中の一酸化炭素濃度を検知すると警報が鳴ります。
費用は掛かっても、命には変えられませんので、キャンプアイテムのひとつとして準備しておきましょう。
薪ストーブの周辺に物を置かない
薪ストーブから引火しないように、周辺には物を置かないようにしましょう。
タオルや服など燃えやすいものが近くにあると、火災事故が発生してしまうリスクがあります。また、誤って触れると火傷する恐れもあるので、薪ストーブにカバーやガードを取り付けて防止するとより安全です。
就寝時は火を消す
冬キャンプもあたたかく過ごせる薪ストーブですが、就寝時は使用を控えた方が良いでしょう。
寝ている間に、一酸化炭素が空気中に溜まったり、気付かないうちに発火したりと危険な事故が起こらないとも限りません。寒いかもしれませんが、冬用のシーツやマットを上手く使い、防寒対策を取ることで暖かく過ごせます。
薪ストーブ以外の防寒対策グッズも持参するようにしましょう。
煙突のメンテナンスを行う
火災事故に繋がりやすい煙道火災は、煙突のメンテナンスを行うことで防止できます。
煙突部分に煤やタールが蓄積することで、引火してしまうので、使用する前に煙突掃除を行うようにしましょう。
また、連泊する場合は、翌朝もう一度煙突掃除をしてください。
まとめ
冬キャンプで大活躍する薪ストーブですが、テント内で誤った使い方をすると、一酸化炭素中毒や火災、火傷事故が発生するリスクがあります。
もしこれから薪ストーブを使ってキャンプをするという場合は、定期的に換気を行い、一酸化炭素チェッカーの設置を必ず行いましょう。
また、薪ストーブから距離を取り、煙突のメンテナンスも重要です。
就寝時の事故防止のためにも、夜間は薪ストーブ以外の防寒対策を取るようにしてみてください。