理由はいろいろ、ホテルが値上がりする理由とは?

この数年間、日本国内のホテルの値上がりが話題にされるようになりました。新型コロナウイルスの流行中は、この傾向も見えなくなったものの、2023年に入ると再び値上がりの様相を見せています。

今回の記事では、ホテルが値上がりする理由を考察します。

 

基本的にはホテルも受給関係で価格が決まる

資本主義社会では、ほとんどの商品はの価格は、供給者側と消費者側との合意点で決まります。ホテル等の宿泊業の場合、ホテル側(供給者側)が供給するホテルの部屋の価格と宿泊希望者(消費者側)の希望金額が一致する点が、公式のホテル代金ということになります。

しかし、ホテルなどの宿泊業の場合は通常の小売業とことなる構造があり、ホテル側が価格のコントロールをしにくいという特徴があるのです。

 

宿泊業は「在庫」を持てない商売

宿泊業の特徴の一つとして、「商品の在庫を持てない」業種であるということが挙げられます。例えば、小売業の場合、商品を卸売業者から購入し消費者に販売するときには、在庫の数を調整することで市場に出る商品の量をコントロールし、商品の価格を調整します。

しかし、ホテルなどの宿泊業の場合、部屋の「在庫」の数をコントロールする、ということは基本的にできません。例えば、100部屋あるホテルの場合、常にその100部屋全部が市場に出ているということになります。その一方で、消費者つまり宿泊者の数は日々異なります。つまり、宿泊者の数が部屋数よりも多ければホテル代は値上がりしますし、宿泊者の数が部屋数よりも少なければホテル代は値下がりすることになります。そのため、ホテルの価格は日々上下することになり、ホテル側が安定した収入を見込むことが難しくなります。

宿泊希望者の数が少ないときには、ホテルの部屋は空いてしまっているもの。この状況では全く利益を生んでいない状態であるため、ホテル側としてはなんとしてでも避けたいと思うのが自然です。そのため、ホテル側は、宿泊者が少ないときは空室の価格を下げることで、できるだけ多くの宿泊者を止めることで、損失を少なくし利益を上げようとしているのです。

 

最近のホテルの値上げの理由は、主に3つ

このように見ると、最近のホテルの値上げの理由の一つは、ホテルに宿泊したい人が増えたという宿泊希望者側の増加があると考えられます。2022年10月からはじまった「全国旅行支援」により、旅行に行きたいと考える人が増え、その結果ホテルが値上がりした結果と言えるでしょう。また、同じ時期に、日本に個人旅行の外国人観光客が入国できるようになったため日本国内での観光客の数自体が増加、ホテル宿泊の需要が増えたことも、もう一つの理由です。

また、供給側つまりホテル側がか抱える事情もあります。というのも新型コロナウイルスによるロックダウンの期間、多くのホテルが休業あるいは廃業に追い込まれることになりました。その結果、今になっても営業を再開できないホテルが多いのも実情です。そのため、4年前よりもホテルの数が少なくなる一方で、観光客の数は変わらない、という現象が今起きています。そしてホテルの需要が供給を上回ることになり、その結果として、ホテル代が上がってしまうという理由もあります。

そして、もちろん、ロシアのウクライナ進行による原油高やインフレーションによる物価高により、ホテル代も上がっています。特に冬期は暖房代も必要なため、原油高がホテルの部屋の価格上昇に直結しているこであろうことは、想像に難しくはないでしょう。

 

ホテル代が下がる可能性はあるか

では、これからホテルの部屋代が下がる可能性はあるのでしょうか。

理論的には、ホテルの部屋の供給が需要を上回れば、価格は下がるはずです。しかし、急激に日本国内のホテルの数が現状から急に増えることは考えにくいでしょう。また、海外から多くの観光客が日本に入国しているため、ホテルの需要がこれから下がる可能性は低いと考えたほうが自然です。

唯一可能性があるのは、ロシアとウクライナの戦争が終了し原油の価格が下がることにより、ホテルの部屋代が下がることです。しかし、現状の高価格でも、ホテルに宿泊する観光客が多いことを考えると、ホテル側が積極的に価格を下げる動機はほとんどない、と考えざるをえないでしょう。

 

まとめ

今回は、この数年ホテル代金が値上がりしている理由を考察しました。

新型コロナウイルスやロシアとウクライナの戦争という時事的な要因が、ホテルの部屋代を上げているのも事実です。しかし、今までにない観光客の増加により、ホテルの部屋数自体が少なくなり、その結果として、部屋代が上がっているという事実も忘れてはいけないでしょう。

新型コロナウイルス蔓延前のように、ホテル代の高さに辟易した多くの人が民泊を利用するようになるのも時間の問題なのかもしれません。