オフィスから離れて、自分の好きな場所で仕事ができる「ワーケーション」という働き方。
注目を集めている働き方ではありますが、どのような効果があるのだろうと気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、ワーケーション導入による効果について実証実験を行った企業や自治体の結果を基にご紹介します。
さらに、ワーケーションの課題についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
ワーケーションで期待できる効果
大手企業や各自治体が導入や誘致を進めているワーケーション。
多くの企業や自治体が積極的に取り組む理由は、ワーケーション実施における効果に期待があるからです。
こちらでは、ワーケーション制度を導入するにあたって、期待できる5つの効果についてご紹介します。
社員のリフレッシュ効果
ワーケーションは、オフィスから離れ、働く場所や時間を個人の自由に選択できる働き方です。
そのため、ストレス軽減の効果があります。
また、都会の喧騒から離れて自然豊かな場所で過ごすことで、心身ともにリフレッシュ効果も期待できます。
仕事をすることも大事ですが、休暇を楽しむこともワーケーションを実施するうえで重要視しなければなりません。
リゾート地や観光地などで休暇を満喫しながら過ごせることで、ストレスなく業務が行えます。
発想力や創造性を高める
非日常的な環境で業務を行うことで、発想力や創造性を高める効果も期待できます。
ワーケーション先での新たな出会いや、土地の魅力を感じることで刺激を受け、新しいアイデアが浮かびやすくなります。
社員の発想力や創造性が高まるため、企業にとってもメリットが高いと言えます。
有給休暇取得を促進する
ワーケーション制度を導入することで、社員の有給休暇取得を促進する効果があります。
「長期休暇を取ると他の社員に迷惑がかかるかもしれない」「有給休暇を取得するタイミングが難しい」という理由で、なかなか社員が有給休暇を取得しづらい環境にある企業も多いのではないでしょうか。
ワーケーションは、有給休暇を利用して、旅行を楽しみながら仕事ができる働き方です。
結果として、2019年4月1日から義務化されている有給休暇取得に関する対策にも効果があります。
生産率アップ
休暇先で仕事をするということで、効率が悪いのではと感じる方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
仕事と休暇をメリハリをつけて行うことで、業務の生産率がアップする効果が期待できます。
非日常的な環境が新しいアイデアを生み出す刺激となるため、仕事の効率を高めます。
参加者同士のコミュニケーションアップ
社内あるいは各自治体でワーケーション参加者を募っているケースがあります。
個人で行うこともできますが、仲間同士で参加することでコミュニケーションアップの効果も期待できます。
いつものオフィスとは異なり、開放的な環境が自然とコミュニケーション交流の場を生み出します。
同じ企業の社員同士だけでなく、他企業の人ともコミュニケーションを深める機会になります。
ワーケーションの検証における効果
ワーケーション導入にあたって、実証実験を実施した企業や自治体があります。
実証実験によって、改めてワーケーションの効果を体感できたようです。
こちらでは、「NTTデータ経営研究所」と「栃木県日光市」の検証結果から得られたワーケーションの効果についてご紹介します。
NTTデータ経営研究所
JTBとJALを含めた3社合同で、ワーケーション効果を検証する実験を実施しています。
この検証によって、以下のワーケーション効果が実証されました。
- 仕事のパフォーマンスが向上した
- 心身のストレス反応が軽減した
- 活動量の増加に効果的である
- 仕事とプライベートのメリハリがつくようになった
- 会社に対する帰属意識の向上
ワーケーション実施中に、仕事のパフォーマンスが約20%上昇し、心身のストレス反応は約37%軽減したというデータが出ています。
さらに、この効果は終了後も5日間継続されています。
これにより、ワーケーションは生産率アップや社員のリフレッシュ効果があるということがわかります。
帰属意識が向上することで、結果的に業務の生産率も高まり、企業にとっても社員にとってもメリットが大きいことが判明しました。
栃木県日光市
民間企業と合同で、ワーケーションの実証実験を実施しています。
この検証によって、以下のワーケーション効果が実証されました。
- ふと目をやると、自然がありリフレッシュできた
- 会社で作業するよりもアイデアが出てきた
- インターネットの会議システムで、すぐ同僚と会話できるので不便さはなかった
このように、参加者の声はポジティブなものが多いことがわかります。
日光市のように自然豊かな地域で実施することで、都会の喧騒から離れることができ、高いリフレッシュ効果が得られます。
より高い効果を得るためには、ワーケーションを実施する場所選びも大事なポイントとなるでしょう。
ワーケーション効果の検証から判明した課題
ワーケーションの実証実験で、さまざまな効果が実証されましたが、課題となる声もありました。
こちらでは、ワーケーション実施における課題についてご紹介します。
仕事と休暇の切り替え
ワーケーションは、休暇先で仕事をするということで、仕事と休暇の切り替えが難しい場合があります。
どこまでが仕事でどこからが休暇か、境目をつけることが重要となります。
さらに、企業側が勤怠管理システムや進捗情報の共有を取り入れるなど工夫が必要となるでしょう。
滞在先の環境整備
Wi-Fiなどのインターネット環境、宿泊、食事など滞在先の環境整備が充分でないケースもあります。
ワーケーションが快適に過ごせるように、滞在先の環境整備が求められます。
ワーケーション費用の負担
ワーケーション実施に伴い、宿泊費や交通費などワーケーションに必要な費用負担に関する問題もあります。
個人の負担となるのか、企業側が負担するのか課題を解決するために費用に関するルールを設置しておく必要があるでしょう。
自治体によっては、ワーケーションに関する補助金や助成金を定めている場合もあるので、上手く活用することで負担を軽減できます。
まとめ
ワーケーションを導入することで、社員のリフレッシュ効果や生産率アップなどあらゆる面で効果があることがわかりました。
ただし、仕事と休暇の切り替えや費用面などで課題があり、解決できるルールや工夫が求められます。
ぜひ、ワーケーション制度導入時の参考としてみてください。