コロナ禍で宿泊業界に求められる三密回避。
宿泊施設において密が発生しやすいタイミングはフロントでのチェックイン時です。
そこでアパホテルではオムロンソーシアルソリューションズと協力し、チェックイン時の完全非接触を実現するアプリチェック専用機の設置を開始しました。
アプリチェックイン専用機の存在は三密回避を実現できるだけでなく、業務効率化や人件費削減などあらゆるメリットにつながります。
そこで今回はアパホテルで導入されたアプリチェックイン専用機についてと、導入された背景、得られるメリットなどを紹介していくので参考にしてみてください。
アプリチェックイン専用機とは
完全非接触の受付端末
アパホテルは2020年秋より、アパホテルのウェブサイトやアプリからの直接予約「アパ直」利用者限定サービスとして、アプリチェックイン専用機の順次導入を全国で進め始めました。
アプリチェックイン専用機とはいわゆる無人受付で、公式アプリ「アパアプリ」を事前にインストールし、前日15:00以降にアプリ内でチェックインを済ませておくことで、改めて宿泊者情報を記入することもなく、当日のチェックインは会員証のQRコードをかざすだけで終わります。
非会員でも端末に宿泊者情報を登録することで専用機でのチェックインが可能です。
チェックイン後は、専用機から部屋番号用紙、朝食券、領収書更には部屋のカードキーまで出てきます。
支払いは現金、クレジットカード両方に対応。
これにより、利用者はフロントの混雑状況に関わらず、待たず並ばずにチェックインを完了することができます。
このアパホテルのアプリチェックインは、国土交通省官公庁の「持続可能な観光の実現に向けた先進事例集2020年度」でも紹介され、ウィズコロナ、アフターコロナでの先進的な事例として注目を集めています。
「アパ直」でお得に利用
また、ウェブサイトやアプリから予約をする「アパ直」の利用は、チェックイン作業をスムーズにするだけでなく、様々な特典を得ることができます。
例えば、クレジットカードからのオンライン決済をすることで、自身で部屋の選択ができるほか、宿泊予約でたまるポイントが通常ポイント還元率1%のところ、10倍の還元率10%となります。
また、ポイントをためない利用者は、会員登録をすることで5%の割引サービスを受けることが可能です。
アプリからは朝食などのオプション選択、部屋のアップグレードをすることなどもできます。
さらに、「アパグループ創業50周年キャンペーン」の第3弾として、2021年2月1日より全国のアパホテルで映画・アニメなど200タイトル以上が見放題の「アパルームシアター(客室VOD)」1泊1000円のサービスを無料提供しています。
この背景には、コロナ禍でのチェックイン時間の早まりや、チェックイン後の外出頻度の減少、客室滞在の長時間化があげられます。
因みに、アパホテルの宿泊料金は「アパ直」が最安値となるようホテル側が一括設定しています。
「アパ直」を使えば、ホテル予約サイトを比較することなく確実に最安値で利用することができるというわけです。
導入の背景
コロナ渦の長期化
長期化するコロナ禍で、常に叫ばれてきたのが「三密回避」。
ホテルでのチェックイン時は利用者が集中して混雑しやすいほか、宿泊者情報の記入や鍵の受け渡し、ホテルの使い方など対面で行わなければいけない煩雑な作業が多く、密になりがちでした。
フロントに飛沫防止シートを設置することで対人の接客でも多少感染リスクを抑えることができましたが、それでも不安が残るのは事実。
そんな状況を看過し、これまでの対面によるフロント対応のあり方が考え直されるようになってきたのです。
無人チェックインを利用したことで最初に有名になったのは「星野リゾート」や業務全般をロボットによって行う「変なホテル」。
当初革新的に思えた技術ですが、長期化するコロナ禍に後押しされるように他の宿泊施設も次々と追従するようになりました。
無人チェックイン機を利用することで、宿泊者情報を記入する手間は省かれ、フロント等での鍵の受け渡しも不要となり、端末や電子錠を用いることで誰とも対面せずに宿泊することが可能となりました。
少子高齢化による人材不足
実のところ、無人チェックイン機が使用されるようになったのはコロナ以前からのことです。
アパホテルのアプリチェックイン専用機の導入も2017年の7月が最初でした。
フロントの無人化が注目されるようになった背景には、少子高齢化による人材不足が挙げられます。
増え続ける外国人旅行者と宿泊施設、そしてそれに反比例するように減少する人手。
人手不足を解消することは宿泊業全体の課題でした。
人材不足の背景には、宿泊業界における離職率の高さが要因となっています。
厚生労働省の雇用動向調査によると、宿泊業・飲食サービス業における離職率は全業種の中で最も高い26.9%。
離職率が高くなる理由としては、少ない休日や不規則なシフト、給与水準の低さなどが挙げられます。
そういった中で宿泊施設は少ない人手で仕事を回さなくてはならなくなり、一人一人の労働量が多くなるという結果につながっていました。
それが悪循環を生み、更なる人手不足に陥っていったのです。
しかし無人チェックイン機を活用することで、フロント業務の効率化が進み、少ない人員で無理のない営業ができるようになります。
導入のメリット
業務効率化
アプリチェックイン専用機を導入したアパホテルにおいてチェックインにかかる時間はなんと1秒。
アプリから発行されたQRコードを機械にかざすだけで全ての煩雑な作業から解消されるのです。
また、鍵の受け渡しからホテルの利用方法まで全て機械が行うことになるため、ヒューマンエラーを削減することにもつながります。
別の部屋の鍵を渡してしまった、チェックアウト時間を誤って案内してしまった等のトラブルがなくなるのです。
その結果作業効率が上がり、これまでフロント業務に割かれていた時間を他のことに使えるようになります。
つまり業務を効率化することは、現場の業務負担を軽減するほか、スタッフの事務作業を最小限に抑え、接客サービスの品質を向上させることができるのです。
人件費削減
「おもてなし」が重要視される日本の宿泊業界。
その結果スタッフの人的労力に頼った経営が中心となり、非能率的な経営がされてきました。
しかし、新型コロナウイルスの流行により、おもてなしよりも安心性の方が重視されるようになった結果、わざわざ人がやらなくてもいい業務というのも浮き彫りになりました。
そうして導入されるようになったのがアパホテルが導入している無人チェックイン機の存在。
対面でのチェックインの場合、宿泊者情報の記入や鍵の受け渡し、ホテルの利用の仕方など煩雑な作業が多く、これまでチェックインには多くの時間が割かれていました。
しかし、無人チェックイン機を導入することで一連の作業を全てアプリと機械で行えるようになり、時間や人手の削減につながったのです。
コロナ禍での経営難と最低賃金の値上げに頭を悩ませる経営者。
無人チェックイン機の存在は人件費削減に大きく貢献します。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状患者の受け入れなど、積極的にコロナ社会に貢献しているアパホテル。
そんなアパホテルはいち早くアプリチェックイン専用機を導入し、コロナの三密回避に役立てています。
アプリチェックイン専用機を利用することにより、完全非接触の受付が可能となり、チェックインから鍵の受け取りまでスムーズに行うことができます。
アプリチェックイン専用機の導入は、長期化するコロナ禍の影響が大きいですが、実のところコロナ以前から注目されていたことであり、実際に業務の効率化や人件費削減に役立っています。
withコロナ時代に突入しようとしている昨今では、フロントの無人化にいち早く入り込むのが今後の生き残りに必須。
アパホテルのようなチェックインの無人化を進めようとしている方は、今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。