キャンプ適地とは?テントはどこに張るのがいいの?

キャンプといえば、テントを一番最初にイメージする人も多いのではないでしょうか。確かに、テントの中で起こったことというのは、意外とよく憶えているもの。そう考えると、テントをどこに設置するのかという決断は、キャンプの成功の可否を決める重要な決断なのかもしれません。

とはいえ、キャンプ場の敷地は大きいので、現場に行ってから「どこにテント張ればいいんだろう」と悩んでしまう人がいても不思議ではありません。

この記事では、どのような場所にテントを張るべきなのか、またどのような場所にテントを張るべきではないのか、ということを解説しまう。

 

キャンプ適地とは?

キャンプ適地とは、ズバリ「キャンプに適した場所」です。多くの場合、キャンプ場ということになりますが、実はキャンプ場内でも、テントを張るのを避けたほうが良い場所、というのがあるのです。

 

テント設営を避けるべき場所

まず最初に、この章ではテントを張るべきではない場所を解説します。

川の中州

川のそばにあるキャンプ場の多くは、川の中州にテントを設営することを禁止しています。理由は川が増水すると、中洲に設置したテントが流されてしまうためです。中には、「川が増水する前にテントを撤収するから大丈夫」という人もいますが、夜に寝ている時など、気がつかないうちに川が増水する可能性もあります。

また、川の上流で雨が降っていたら、川の中流や下流の天気は晴れていたとしても、川は増水します。その結果、テントが流されるということも起こります。

同じような理由で、例えばデイキャンプでバーベキューをするときにも、川の中州に場所を構えるのは避けたほうが良いでしょう。実際に日本でも、川の中州でアウトドアを楽しんでいた人が、急に川が増水したために岸に戻れなくなり、多くの犠牲者を出したという事件があります。

 

河川敷

川の中州と同じように、河川敷でのテント設置も避けるべきです。理由は、中洲の場合と同じく、川の増水時に、テントが流される可能性があるためです。一見河川敷は平坦で広い土地であるため、テントを張るには最高の場所のようにみえます。しかし、川が増水したときのリスクは、中洲でのテント設営のときと同じように存在します。

また、河川敷には意外と多くの蛇が生息しています。そのため、河川敷にテントを設営すると、蛇に噛まれるなどの被害に合う可能性もあります。もちろん蛇の中には、マムシのような強い毒性を持つものもいますので、噛まれたらすぐに病院に行く必要があります。

中洲と比べると、岸に近い河川敷であれば、デイキャンプでバーベキューを楽しんでいても、非常事態には岸にすぐに移動することができるかもしれません。とはいえ、小さな子供がいたりすると、緊急事態に素早く行動するというのは、意外と難しいものです。

基本的に川の中や川のそばでテントを設営することは避けたほうが良いでしょう。

 

海岸の直ぐ側

海岸に面して建設されたキャンプ場もたくさんあります。波の音を聞きながら眠ったり、目覚めたりするのは気持ちが良いものです。しかし、海岸でのキャンプでは、海の直ぐ側でキャンプを設営することはやめたほうが良いでしょう。

海から近すぎる場所にテントを設置すると、大きな波が来た時にテントごと濡れてしまう可能性がありますし、中に寝ている人も沖まで運ばれてしまう可能性もあります。

なお、海辺でキャンプをするときには、テントの出入り口を陸側に向けておいたほうが便利です。海側に出入り口を向けてしまうと、風に乗ってテントの中に砂が侵入しやすくなります。そのため、出入り口を陸側に向けておいたほうが、テントの中を清潔に保つことができるのです。また、どうしても海岸に出入り口を向けるときは海と平行にテントを設置しましょう。

また、海岸は光の反射が強いこともあり、テントの中が熱くなりがちです。海岸でテントを張るときには、テントの上に布をかぶせてシェードを作ると、テント内の気温の上昇を抑えることができます。

 

崖の下

山間部にあるキャンプ場に行くときには、崖の下にテントを設置しないようにしましょう。崖から、大きな岩や土砂が崩れる可能性があります。また、特に雨が降っている最中や大雨が降った直後などは、崖が崩れやすくなっている上に、鉄砲水などの水害も起こる可能性があります。このような理由から、崖の下でのキャンプは避けたほうが良いでしょう。

もちろん、崖の上でのキャンプも避けるべきです。土砂崩れが起こり、テントごと崖の下に落たあと、多量の土砂の下に埋まってしまうことにもなりかねません。

それでも、崖の下にテントを設置してしまったときには、特に雨の日には地鳴りが聞こえてこないか、また小さな石や土砂が崖の上から転がってきていないか、ということを確認しながら過ごした方が良いでしょう。そして、なにか異変に気がついたときには、素早く他の場所に避難するようにしましょう。

 

木陰のない場所(特に夏のキャンプで)

広くても、木陰の全くない場所にテントを設置するのは、避けたほうが良いでしょう。特に夏のキャンプ場では、できるだけ木陰のあるところにテントを張ることがおすすめです。

木陰のないところにテントを張ると、直射日光がテントにあたります。この結果テント内の気温があがり、夜の寝る時間担っても、テントの中は暑いまま、という悲劇に見舞われかねません。テントの外で寝ても大丈夫という方もいるとは思いますが、ほとんどの方はテントの中でゆっくり眠りたいはず。

木陰がなくても、タープ付きのテントであれば、影をテントの上に作ることができるので、木陰にテントを設置したときと同じような効果が望めます。

 

窪地

キャンプ場の中の窪地やちょっと低い土地にテントを設置するのは、やめたほうが良いでしょう。というのも、そうした場所は水が溜まりやすい場所でもあるからです。

雨が降ると、窪地や低地にキャンプ場中の水が集まります。もしそこにテントを設置していたら、いつの間にかテント内がびしょびしょになっていた、ということにもなりかねません。また、同様の理由で、窪地や低地は地面自体が湿っている事が多いので、夜寝ていると体が冷えてしまう可能性もあります。

また、窪地は空気が滞留しやすい場所です。そのため、料理をしているとに、煙が流れにくいということも起こりえます。

 

他の人のテントから離れすぎたところ

静寂を愛するソロキャンパーも、ずいぶんと多いのは事実です。とは言え、安全の面から考えても、あまり人気のないところにテントを張るのは、やはり避けたほうが良いでしょう。

確かにこの世界、悪い人間はどこにでもいます。しかし、キャンプ場によっては、あまり人気のないところにテントを張ると、夜にシカやキツネ、場合によってはイノシシやクマなどの野生動物に遭遇する可能性もあります。そしてこのような野生動物が人に出会いパニックに陥ると、人間を攻撃することも珍しくありません。

こうした野生動物との危険な出会いを避けるためにも、人気のないところにテントを張るのはやめたほうが良いでしょう。

 

この近くにテントを張ると快適

では、どんなところにテントを張ると、キャンプ場では快適に過ごすことができるのでしょうか。次のような場所がおすすめです。

炊事場の近く

大半のキャンプ場には、キャンパーが自由に使うことができる炊事場が設置されています。その近くにテントを張ると、テントにできたての料理をすぐに持っていくことができますし、食事の後片付けも簡単です。また、炊事場が近いと、キャンプ場のキャンパーほぼ全員がその場を通ることになりますが、その時間帯も晩ごはんや朝ごはんの準備の頃だけなので、1日中うるさいということはないでしょう。

そして夏のキャンプでは、水がすぐ手に入る環境というのは、大きな安心感につながります。特に子供は大人より多くの水を必要とするので、お子様と一緒にキャンプをする人は、炊事場の近くにテントを設置するのがおすすめです。 ただ、炊事場の近くにテントを張ると、他の人が料理をしているときの煙や美味しそうな香りに悩まされることがあるかもしれません。そのようなときには、炊事場の風上にテントを張っておくと、こうした問題が解決できるので、おすすめです。

 

木陰のある場所

これは、前に述べた通り、テント内の気温の上昇を避ける方法になります。また、木陰にテントを張っておくと、少しくらいの雨なら木が遮ってくれるため、あまり雨の影響を気にせずにテントの中で過ごすことができます。

木陰にテントを設置すると、近くにある木を利用してハンモックを吊るして楽しむこともできますし、木の間に紐を渡して、洗濯物を乾かすこともできます。木のお陰で使えるスペースが広がるので、のびのびキャンプを楽しむことができるでしょう。

また、朝になると木々には、餌を探す鳥たちがやってきます。バードウォッチングを趣味にしている方は、木陰にテントを張っておくと、テントの中から鳥たちの様子を眺めることもできます。もちろんテントの中なら双眼鏡も望遠鏡も使い放題なので、鳥たちをより身近に感じることができるのではないでしょうか。

 

管理棟の近く

特にキャンプデビューしたばかりの方には、各キャンプ場にある管理棟の近くにテントを張るのがおすすめです。

管理棟には、必キャンプ場のスタッフがいるので、なにか困ったときにはすぐに係の人に相談することができます。また、管理棟の中にはキャンパーが使うシャワー室やお手洗いが設置されていることが多く、そうした場所にすぐ行ける場所にテントがあると、特に夜には、心細い思いをしなくてすむのでおすすめです。

また、管理棟には自動販売機や薪などを販売している売店も併設されていることが多く、必要なものがすぐ手に入るので、とても便利です。

特に始めて行くキャンプ場では、管理棟が見える場所にテントを張っておくことをおすすめします。

 

ちょっと小高いところ

もし、キャンプ場でテントを張る場所を自由に選べるなら、少し小高い場所にテントを張っておくと、雨が降ったときでもテントの中が水浸しになる心配をせずに過ごすことがあできます。また、テントが小高い場所にあると空気のが流れやすくなるため、テントの中の気温があまり上がらないというメリットもあります。

しかし、何より、すこし高い場所にあるテントから眺める景色は非常に美しいことが多いので、その景色を独り占めしたい方は、テントに行くまでの上りや下りが少し暗い大変でも、ちょっと高いところにテントを張ることをおすすめします。

 

まとめ

今回の記事では、テントを設置するための場所について考察しました。基本的に低い土地、川や海のそば、そして日陰のないところにテントを設置するのは避けたほうが良いでしょう。

楽しいキャンプにするために、快適で安全な場所を見つけて、テントを張りましょう。