新型コロナウイルスの影響を受けた業種の1つである宿泊業で、対象の可能性がある補助金や助成金はどういったものがあるのか一部ご紹介します。
この記事では宿泊業の補助金・助成金についてご紹介しますので、読み終えた段階で申請できそうなものがあれば直ぐ確認して申請を検討してみてはいかがでしょうか。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は現在の業態を少し変化させる、新規事業を展開することで対象となる可能性があります。
経済産業省のウェブサイトに下記の概要、説明が記載されています。
「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の要件をすべて満たす企業・団体等の新たな挑戦を支援します」 事業再構築補助金 (METI/経済産業省)
中小企業や個人事業主がビジネスモデルを転換させるために必要な経費を補助してくれる制度で、補助率が約50~66%、最大1億円という規模の大きな補助金です。
業界を問わず支援するのが目的のようです。
例えば居酒屋→オンライン専用注文サービス、ヨガ教室→オンラインヨガ教室、タクシー→食料等の宅配サービスなど新たに違う業界にチャレンジする、同じ業界だけど少しやり方を変えるのもありなようです。
条件要件は新型コロナウイルスで打撃を受けた前提です。
- 申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
- 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
- 補助事業終了後3-5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。となっております。
新型コロナウイルスの影響で宿泊業も依然として厳しい状況が続いている中、全業種対象となる建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)などは経費の対象となる可能性があり、宿泊業でも活用できそうな経費はなにか確認が必要となります。
また、補助対象となりうる取り組みの具体例としてはテレワーク環境を整備することやAIやIoTを活用したスマートホテル事業などがあります。
事業再構築補助金はビジネスモデルの転換や新規事業を展開をする前提となります。
宿泊事業者による感染防止対策等への支援
観光庁より各都道府県向けに宿泊事業者が感染防止策の強化等に取り組む際の費用の支援についての補助金について公表しました。(「宿泊事業者による感染防止対策等への支援」について)予算規模は1,000億円に上回る大きいものです。
補助対象をご紹介いたします。
①新型コロナウイルス感染症対策に資する物品の購入等
・感染症対策に用いられるサーモグラフィ等の必需品の導入費用
・感染症対策の専門家による検証費用 等
②前向き投資に要する経費
・ワーケーションスペースの設置や非接触チェックインシステムの導入 等となっております。
宿泊事業者が3密の回避などの対応に向けて取り組む、非接触型のサービスの導入等について支援がされます。
「非接触サービスと取り入れたい!」と考えている宿泊事業者にはいい機会かもしれません。
非接触、非対面はデジタルツールを導入するのが感染防止対策の1つです。感染防止策とデジタル化は相性がよく、非接触、コスト削減、効率化アップを同時に実現させられます。
今までアナログで対応していた業務作業をデジタル化できる期待がもてます。
IT導入補助金2021年版
中小企業・小規模事業者が、ITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する際の経費を一部を補助することにより、導入する事業者の業務効率化をサポートすることを目的としています。
2021年は昨今の新型コロナウイルス感染症が事業環境に与えた影響への対策及び感染症の拡大防止に向け、具体的な対策(非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワークや在宅勤務環境の整備など)に取り組む事業者によるIT導入等を優先的に支援するため「低感染リスクビジネス枠」が創設されました。
IT導入による業務効率化等を支援する通常枠はA・B類型と呼ばれ、低感染リスクビジネス枠は特別枠のC・D類型となっています。
補助率が通常より特別枠は2/3に拡充され、最大450万円を補助してくれます。
そもそも、ITツールとは補助事業者の労働生産性向上に資する①ソフトウェア②オプション③役務の3つからなる。補助事業者のプロセスのさらなる効率化と、事業者以外の遠隔地から業務を行うテレワーク環境の整備や、対人接触の機会を低減するような非対面又は遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへの転換に資する労働生産性の向上を目的としたものと説明されています。
以下、実際に「IT導入補助金」を活用してサービスを開始した数社
- スマートチェックインをベースにしたHotelStyle OS「aiPass(アイパス)」を提供するCUICIN株式会社
- ホスピタリティ業界向けにオールインワン型宿泊管理ツール、ホテルでの非対面・非接触を強化するサービス提供をする株式会社エアホスト
- テクノロジーを用いた効率的な宿泊施設運営を支援する宿泊管理クラウドシステム株式会社suitebook
IT導入補助金2021の支援事業者として認定しております。
令和3年のIT導入補助金、事業スケジュールは以下を予定しております(詳細はHPをご確認ください(事業スケジュール))
通常枠
- 1次締め切り(5月14日(金)
- 2次締め切り(7月30日(金)
- 3次締め切り(9月30日(木)
特別枠(低感染リスク型ビジネス枠・特別枠)
- 1次締め切り(5月14日(金)
- 2次締め切り(7月30日(金)
- 3次締め切り(9月30日(木)
感染拡大対策における支援策
雇用調整助成金(特例措置)
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が、従業員に対して一時的に休業、教育訓練または出向を行い、従業員の雇用維持を図った場合に、休業手当や資金等の一部を助成するものです。
厚生労働省は2021年7月8日雇用調整助成金について、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域で休業や営業時間の短縮に協力する事業主や業況がとくに厳しい全国の事業主に対して、特例措置を9月末まで延長すると発表しました。
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が、安心して休暇を取得して出産し、出産後も継続して活躍できる職場環境を整備するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、妊娠中の女性労働者に有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対して助成金となっております。
経営状況が悪化し、事業活動が縮小している、直近の1か月間の売上高が前年同月比5%以上減少しているといった一定の条件を満たした事業者に対して雇用被保険者である従業員に対して休業手当を給付します。
アルバイトを雇っている際の従業員手当は緊急雇用安定助成金の対象となる可能性があります。給付額は1人1日あたり15,000円を上限とされています。
まとめ
この記事を一通り読み終わり、補助金や助成金などをうまく活用して、宿泊業の経営に活かしていきたいと思っていただけましたでしょうか。
宿泊業事業者は、利用できそうな観光庁、地方自治体の補助制度や宿泊業向けの新型コロナウイルスに関する支援制度を当該機関ウェブサイトにて確認後に窓口で相談しながら申請してみましょう。スケジュールが決まっているものもありますので締め切り間に合うように準備していきましょう。