コンテナを使ったグランピング施設のメリットとは? 代表的なグランピング施設も紹介

最近、強度や耐久性を追求しながら、同時にデザインにも秀でたコンテナが、宿泊施設として使われる事が増えています.

もともとも船や列車などで物資を運ぶために生み出されたコンテナですが、その丈夫さと耐久性に加えて、様々な加工のしやすさから、宿泊施設として利用されるようになりました。

この記事では、コンテナをグランピング施設として利用するメリットと、実際にコンテナを使用している日本国内のグランピング施設をご紹介します。

 

コンテナをグランピング用の宿泊施設にするメリット

コストが全体的に安い

コンテナをグランピングを始めとする宿泊施設に使用するメリットの一つは、コンテナを宿泊施設として建築する費用が比較的安価であることが挙げられます。

例えば、日本で災害が起こった場合、被災地にはプレハブの建物が建築され、被害に合われた方々の仮設住宅になったりします。こうしたプレハブ建築で約30平方メートルの建物を建築する費用は、プレハブの建物自体と電気・ガス・水道等ライフラインの設置も合わせると、600万円以上になると言われています。また、寒冷地では断熱材を多く使う必要もありますし、暑いところでは冷房設備も完備する必要があります。そのため、安価とされるプレハブ建築でも、意外とコストが上がる傾向があります。

一方、コンテナを宿泊施設に使用した場合を見てみましょう。約14m²ほどのコンテナホテルを建築する場合であれば、一棟あたり300万円程度の費用になると言われています。これにライフラインの設置も加えると、トータルで500万円くらいのコストになることが予想されます。

プレハブ建築と比較すると、コンテナを使った宿泊施設のほうが最低でも100万円ほど安いことになります。

 

 耐久性が良く、防音性が高い

コンテナを使ったグランピング施設のメリットの一つは、建物の耐久性と防音性が高いことが挙げられます。

まず、コンテナ自体が様々な物資を船や飛行機そして列車といった長距離輸送のために作られたものです。そのため、あらゆる衝撃に耐えることができるように設計されています。また、特に船によるコンテナ輸送の場合、コンテナの上にコンテナを乗せることが普通となっているため、コンテナ自体が数トン単位の重さに耐えることができるようになっています。

また、コンテナの中の物資が雨や風の影響を受けないようにするため、基本的に雨や風を避けることができる作りになっています。そのため、コンテナを宿泊施設に改造するときには、必要な防雨設備・防風設備を加えるだけで良いので、建築コストを削減することができます。

また、コンテナをグランピングの宿泊施設に使う場合のメリットの一つとして、その防音性の高さが挙げられます。テントに宿泊した場合、どうしてもテントの中の音は外に漏れやすいものですし、逆に外の音がテントの中にいてもよく聞こえてしまいます。しかし、コンテナであれば、出入り口を締めてしまえばコンテナ内部の音は外に漏れにくくなりますし、外の音もコンテナの内部では聞こえにくくなります。

そのため、コンテナをグランピングで宿泊施設として使用する場合は、大勢の人数が宿泊できるパーティールームのような使いかたをすると、同じ施設の宿泊客に迷惑をかけることが減るでしょう。また、一方で静けさを求める宿泊者にも、コンテナの部屋はよい選択肢となることでしょう。

 

移動あるいは引っ越しが簡単

そして、コンテナをグランピングの宿泊施設に使うメリットの3つ目が、建物の移動や引っ越しが非常に簡単なことです。

まず、最初にコンテナの宿泊施設を設置する前の段階で、コンテナ内部にある様々な宿泊設備をかなり準備しておくことができます。その後、コンテナを該当箇所に置き、電気や水道などのライフラインをつなげるだけなので、部屋の設置が非常に簡単になります。

このことは、コンテナの宿泊施設の移動や引っ越しが非常に楽であることを意味します。そのため、例えば、ローケーションの問題で別の場所にグランピング場を移動せざるを得ないときにも、対応しやすくなります。

また、極端な例を上げると、コンテナを利用したグランピング場の近くで何らかの自然災害があった時などは、コンテナの宿泊施設だけを運搬して貸し出し、被災者用の一時的な住居にすることも可能になります。

また、様々な事情でグランピング場を閉鎖することになったとしても、コンテナの宿泊施設は次の買い手を見つけて売ることもできます。また、宿泊施設としては買い手が見つからなくても、通常のコンテナとして販売することもできるでしょう。

このように、「移動が簡単」というコンテナのメリットは、グランピングの宿泊施設として利用するだけではなく、その前や後にも利益を生み出すことができる要素なのです。

 

コンテナを使ったグランピング施設

では、実際にコンテナを宿泊施設に使っているグランピング施設のいくつかをここで見てみましょう。

Farm Glamping なめたかファーマーズヴィレッジ

茨城県行方市にあるFarm Glamping なめたかファーマーズヴィレッジ。東京都心からも車で2時間の距離にあるグランピング場です。

このグランピング場の宿泊施設の一部がコンテナを改造したものになっています。「コンテナスタイル」と名付けられたこの宿泊施設はもちろん冷暖房完備。冷蔵庫やエアコンも設置されているため、快適にグランピングの夜を過ごすことができます。

また、なめたかファーマーズヴィレッジの売りの一つが、このグランピング場の中にある畑で取れた野菜や果物を料理した、ビュッフェスタイルの食事です。文字通り採りたて新鮮な野菜をお腹いっぱい堪能することができます。

住所  茨城県行方市宇崎1561

公式HP  https://farmglamping.namegata-fv.jp/

 

IRON NEST  

河口湖の湖畔にあるIRON NEST。宿泊施設に改造された2台のカラフルなコンテナが、このグランピング場のランドマークです。ベットやキッチン、バスルームはもちろん完備され、65インチの大型テレビを楽しむことができます。

このグランピング場を開設したのは、コンテナワークス。その会社名から想像できる通り、コンテナを住居や飲食店店舗などに改造することを得意とする企業です。つまり、IRON NESTはコンテナ改造の専門家が作ったコンテナのグランピング場ということになります。

今後コンテナを店舗として利用するビジネスや、将来的にコンテナハウスに住むことを考えている人は、どのような暮らし心地なのか、一度IRON NESTに宿泊してみても良いかもしれません。

住所 山梨県南都留郡富士河口湖町大石2153-6

公式HP  https://ironnest.jp/

 

まとめ

頑丈で運びやすく、その上設置コストも比較的安価に抑えることができるコンテナをグランピングの宿泊施設として活用することは、今後も増えてくるかもしれません。

今後は施設ごとに「差別化」戦略が必要になってくるでしょう。今後は、コンテナの宿泊施設に対して、グランピング利用者が宿泊施設に期待する機能性やおしゃれな感じをどのような形で加えていくのかを考える必要がデてくるのではないでしょうか。

グランピングを楽しむ場としてのコンテナの利用方法をこれからもっと考える必要もあるでしょう。